最後の逆転劇とカラクリもよく練られているので、少なくても、『三度目の殺人』を凌ぐサスペンス作品だナ…と思いました。

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瀧本智行監督斎藤工岩田剛典北村一輝 演じる去年の冬、きみと別れ・・・この映画をもう見た?まだ見ていないの?

3月の2本目は、全盲の女性モデルを焼き殺す猟奇殺人事件の容疑を掛けられたカメラマン・木原坂雄大斎藤工)のスクープを狙った、ルポライター耶雲恭介(岩田剛典)の取材を廻る、疑惑の殺人事件&サスペンス映画去年の冬、きみと別れ』(2018年、瀧本智行監督)でした。エ~、また猟奇殺人の絡む謎とき映画か…と辟易しながらも、芥川作家・中村文則原作、瀧本智行監督が制作に関わっている作品なので、映画館へ行きました。余り期待してませんでしたが、予想以上に面白かったです。プロットもスリリングであり、ストーリに矛盾がなく、斎藤工北村一輝と岩田剛典の演技の綻びもかったです。最後の逆転劇とカラクリもよく練られているので、少なくても私には、三度目の殺人を凌ぐサスペンス作品だナ…と思いました。ただーネ、斎藤工の芸術家らしいラフで躍動的な演技は印象的でした、が、J Soul Brothersパフォーマー・岩田剛典の演技は、人物設定から執拗に真実を追求する粘着質のジャーナリストの顔と、もう一つのペルソナ・・・、つまり恋人を殺されたインテリが復讐の執念を持っ複雑な人間の陰と歪みが見えませんでした。演技の印象がやや薄かったのかな。甘いマスクだけが俳優の売り物ではありませんーネ。かつてのファションモデルの阿部寛が俳優に転身した姿は、その大変身ぶりに驚きました。二枚目シンガーのアイドル人気と本来の素性を如何に殺した演技(言葉と身体)をするかは、今後の俳優生命に関わるでしょうね。

週刊誌編集者・小林良樹(北村一輝)の元に、カメラマン・木原坂雄大の焼死事件の真相のネタを持ち込んだルポライター耶雲恭介の企画には、事件の真相を二転三転させるトリックと謎が隠されてました…。場面の時間軸はやや過去に遡って、実は耶雲恭介は昔、金沢の小さなローカル出版社で、童話の翻訳本を発行していた。ルポライター耶雲のもう一つの顔がそこに隠されていました。当時の金沢時代に、盲目の美女・吉岡亜希子(土村芳)が彼の関わった翻訳童話の出版物を点字翻訳した本を熱心に読んでいて、それを熱い眼差しで見ていた耶雲は、それをきっかけに彼女と親密で甘い交際を始めていた。ところが、吉岡亜希子は突然彼の元から消えてしまった。

舞台は東京に移り、盲目の美女はカメラマン・木原坂雄大からの写真モデルを頼まれて、彼の屋敷に身を置いていた。で、その家で謎の焼死事件が発生した。彼の罪状は、援助が必要な人(老年いた者、幼年者、身体障害者、病人)を危険から助けずに置き去りにする犯罪「保護責任者遺棄罪」と「殺人罪」を裁判で問われていた…のであった。 この罪状がサスペンスに使われるのは珍しいですーネ。かつての恋人であった盲目の吉岡の失踪と焼死の真実を究明するために、今の婚約者の松田百合子(山本美月)を木原坂雄大の餌にして、お金で雇った彼女と結託して木原坂を、「誘拐監禁」の罪状の立証のために罠に嵌め、偽装婚約、偽装誘拐の芝居をさせていた・・・。木原坂雄大と彼の姉・木原坂朱里(浅見れいな)との間にあった幼児期から近親相姦の関係、その姉朱里と編集者・小林良樹の間にあった殺人ほう助と肉体関係、家庭内にあった父と幼少期の姉との間のドメスティック暴力と、彼らがその父から逃避する為に仕組んだ幼少時代の殺人事件・・・等々、まだまだ隠されたカラクリと複雑な謎の糸は、映画を見て解いてください。これは見ていて映像を捲るたびに心騒ぐ展開でした…。

最近よくTVドラマや映画やCMに頻繁に顔を出す週刊誌編集者・小林良樹役の北村一輝に注目でした。ア~人格破綻した演技もできるんだ…と驚きました。つい先日観賞した『今夜、ロマンス劇場で』の道化た花形映画スター役の演技も面白かったですーネ、流石にベテラン俳優です。


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