大震災で倒壊した建物や家屋など老朽化した建物の瓦礫からアスベストが飛散 する恐れがありませんか???


原一男監督のアスベスト被害者の裁判ドキュメンタリー映画ニッポン国VS泉南石綿・・・この映画をもう見た?まだ見ていないの?
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明治時代以来より約一〇〇年間にわたり、大阪・泉南地域にアスベストを原料とする紡織産業(自然素材の石綿と綿を撚り混ぜて糸にする生産)が、最大で二〇〇社以上もの中小零細の石綿工場が盛んに操業していました。安くてしかも断熱性と耐火性などに優れた素材と言われて、戦前は富国強兵策に乗った軍需産業で潤い、戦後は自動車や建築部材などに使われたので、高度経済景気の中で急速に普及しました。特に、この地域の経済と景気を支える地場産業でした。肺がんで亡くなったとされた、神戸製鋼の元労働者の家族が「労災認定」の申請をするトラブルをきっかけに、「泉南アスベスト国賠訴訟団」つまり、アスベスト工場の元労働者とその家族、周辺地域の住民らは、アスベスト曝露で肺ガン、中皮腫など深刻な健康被害の原因が石綿だと気付き、始まりました。そして、その実情を知りながら、国はアスベストの経済効果を最優先して、人体への危険性と環境汚染に対して、規制や対策を放置、国民を見殺しにする国の経済優先の犯罪に賠償を求めました。損害賠償を求める訴訟の争点もそこにありました。3月の3本目の映画は、肉身を次々に病死させながら、「政治」がアスベスト被害者を棄民する姿を追いかけた215分の長編ドキュメント映画『ニッポン国VS泉南石綿』(2017年、原一男監督)でした。
 
しかし各地で継続している国家賠償を求めるアスベスト裁判の判決を始め、問題は依然尚残されています。泉南アスベスト国賠訴訟は、「石綿被害の責任は国にある」と判決で勝訴しましたが、近隣住民の健康被害と賠償は認められませんでした。経済成長と環境破壊と公害が各地で国民の健康を害していることが国民の関心の的となり、漸く、二〇〇六年九月、日本で石綿の使用が禁止されました。がしかし、首都圏でも築40から50年の耐用年数ギリギリの老朽化したビルには、健康被害の危険性がありながら、依然アスベストを使った建物が残されています。アスベストは発病までに長い潜伏期間があるので、アスベストはいつ病苦を発症するかもしれぬ「時限爆弾」とも言われています…。今も各地でアスベスト被害と補償を国に求める裁判が継続しているようです。(アスベスト問題については傍記サイトを参考にさせていただきました。関係資料はサイトにたくさんあります。「アスベスト訴訟、和解手続きわずか180人…泉南訴訟から3年、進まぬ救済、賠償対象者の1割未満」「アスベスト訴訟 元作業員の救済を」「国が国賠訴訟促す通知、アスベスト被害の2300人)
 
私は設備管理の仕事をしているので、旧いビル内に天井や壁などの建築部材にアスベストと疑わしい内装を見かけた経験があります。建設業や電気工事関係者ばかりでなく、設備管理の従事者にも健康被害がおよんでいるかもしれませんーネ。

3.11から7年経過した先日、大津波に巻き込まれ未だ行方不明の被災者や、倒壊した家屋の下敷きになった遺族の姿を映した慰霊式典がニュースで報道され、東日本大震災で倒壊した建物や家屋などの復旧作業に、自衛隊や全国のボランティアが被災地域に手を貸した暖かい善意が称賛されています。がしかし、倒壊した地方のビルの瓦礫からアスベストが飛散 し、被曝して隠れた健康被害の可能性があるのではないかと疑っている医療関係者もいます…!!!。もう少し隠れた社会の底流にも報道は目を向けてほしいですーネ。私たちの身の回りに存在する今も未処理で残されたアスベストの建築部材の潜在的影響を受けた健康被害が後々顕在化することもありえます。

私たちは見えない危険な環境破壊と肺癌の元のアスベストが身の回りにあります。私たちは今「危険な社会」に生きているのですーネ。原子力と同じで、自然災害以外にいつ死ぬかもしれない危険なものに囲まれています。恐ろしいですーネ、怖いですーネ…。

原一男監督と言えば数々の伝説とドキュメントの名作がありますが、身体障碍者を主人公にしたドキュメントの「さようならCP」 (1972年)、彼の同棲相手・武田美由紀の性を赤裸々に撮った「極私的エロス 恋歌1974」 (1974年)、天皇制と戦争に翻弄された元兵士・奥崎謙三の戦争責任のドキュメント「ゆきゆきて、神軍」 (1987年)、小説家・井上光晴の文学塾で「書くこと」の創作イデアをドキュメントした「全身小説家」 (1994年)など、これらこれまでの作品をその時々にDVDなどで観賞した私としては、今回の作品「ニッポン国VS泉南石綿」は見逃せませんでしたので、またもや中区の「ジャック&ベティ―」の座席に座りました。老朽化した映画館ですが、確かにイイ作品は上映しますーネ!!!もしもハリウッドのオスカーのように、日本アカデミー賞にドキュメント部門があればこれまでの作品は受賞しても良い映画がありました。

«障害者»«男と女の性»«戦争と天皇制»«環境破壊»etc…原一男監督のこれまでのドキュメント映画を俯瞰してみると、映像の記録と映画とは何なんだ???と私は如何しても考えてしまいます。松本清張の「昭和史発掘」ではないが、原一男監督のドキュメント映画は、近代の陰になっている時代の大きな流れに時と共に消えてしまう…、決して公の「歴史」の記録から脱色してはならない近代と昭和の淀みを映像記録として残しているの…カナと思いました。

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