1997年に神戸市須磨で起きた連続児童殺傷事件の未成年加害者少年À「酒鬼薔薇聖斗」の猟奇殺人事件から着想をえていたという犯罪映画『友罪』です

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瀬々敬久監督、生田斗真瑛太が演じホームドラマ友罪・・・この映画をもう見た?まだ見ていないの?

6月に掲載する作品の第3弾です。金属加工の現場作業員として働き始めた益田(生田斗真)と、同時入社の鈴木(瑛太)の二人が主役。2人のバックボーンは、中学生の頃に体験した学友への苛めから友達を救えずに友だちの苛めから逃げていた、自分の良心に「卑怯」な過去を悔み贖罪の罪のようにトラウマになっていたジャーナリスト志望の夢を持っていた益田純一と、もう一人の主人公・鈴木は、原作小説『友罪』の著者・薬丸岳が1997年に起きた神戸市須磨で起きた連続児童殺傷事件の未成年加害者少年À「酒鬼薔薇聖斗」から着想をえていたという犯罪映画『友罪』(2017年、瀬々敬久監督&脚本、薬丸岳原作)でした。

映画を見ていてのまず浮かんだ印象は、メインテーマの周辺に無関係な幾つかの事件とストーリが複雑に絡まっていて、チョット映画の主旋律、つまり犯罪者の«罪»と、人の命を奪ったという殺人への≪贖罪≫…が、それをより丹念に分かりやすく強調する為に、同列の猟奇殺人事件を挿入する余りに尚更に余計に分かり難くなっているナ…と感じました。薬丸岳の原作小説『友罪』を読んでいないので、何とも言えないが、監督が脚本も兼ねているので、ストーリ映像に伏線が多いことによって尚更に無造作に複雑で難解にになっているーナと感じました。

例えば、過去に犯した息子の交通事故によって子供を3人事故死させた事件を機に、夫婦は離婚、一家を離散させて、ひたすら息子の罪を贖罪し、タクシー運転手で稼いだわずかな賃金を遺族に送る山内修司役佐藤浩市のストーリ映像の挿入などは、贖罪への伏線とは分かるが、映画そのものを却って複雑で分かり難くしていているのではないですかーネ。息子の結婚と妊娠と神前結婚のシーンなども無駄なシーンではないかと感じました。例えば、通販のオペレータとして働く藤沢美代子役を演じる夏帆は、AVへの出演を強要された過去を持つ女性役で出演しています。別れたくて逃げまわる元恋人に執拗につきまとわれ、鈴木に助けられたことで、彼に対して好意を抱いていくストーリ映像でした。何のための伏線かな…と胡乱に感じた部分でした。恐らく鈴木が女性に関心を持たないー、性に無関心であるーという、鈴木が幼児から培われた精神の偏重と性癖のベクトルを表現するための挿入だと思いますが…ね、只ね、ナンカ猟奇的な犯罪に関して一般論としてどうも「性」的未熟とコミュニケーション不全症とか「発達障害」で結論を出してしまいがちですが、もっと別の概念装置はないものなのだろうかと思いました。