『モテキ』で青年の恋心を描いた大根仁監督は、今度は何を描こうとしていたのかな…?久々に邦画の傑作を見ました、楽しませていただきました。

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大根仁監督、篠原涼子(ギャル役・・・広瀬すず)、ともさかりえ(・・・田辺桃子)、小池栄子(・・・野田美桜)、渡辺直美(・・・富田望生)、坂谷由香(・・・山本舞香池田エライザたちが1990年代のコギャル風俗演じるサニー 永遠の仲間たち・・・この映画をもう見た?まだ見ていないの?

夫と高校生の娘と質素に暮らす40歳の専業主婦・阿部奈美(篠原涼子)は、偶然通院していた総合病院で、ベッドの上で末期がんに苦しみ七転八倒する余命1か月の高校時代の仲間の一人・伊藤芹香(坂谷由香)に会う。22年ぶりに芹香に再会した奈美は、彼女から死ぬ前にもう一度あの笑いに満ちた昔の高校時代の楽しかった仲良しグループ「SUNNY(サニー)」のメンバーに会いたい…と告白される。余命短い奈美の最期の望みを叶える為に梅(渡辺直美)と共に中川興信所(リリーフランキー)に、仲間6人の今の所在を調査してもらう…のだが、それが難航する。9月の1本目の作品は、1990年代のコギャル文化全盛期を背景に駆け抜けた青春の光と影、ダンス&ミュージカル感覚の青春映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年、大根仁監督&脚本、小室哲哉音楽)でした。劇中では安室奈美恵の「SWEET 19 BLUES」「Don't wanna cry」などの小室哲哉プロデュース楽曲、JUDY AND MARYの「そばかす」、CHARAの「やさしいきもち」、小沢健二の「強い気持ち・強い愛」など、90年代の日本を彩ったJ-POPを劇中楽曲として使用しています。音楽と映像と青春のリズムは三位一体ですーネ。

時は過ぎて22年の歳月の今のSUNNY(サニー)のメンバーたちは、それぞれ複雑な問題を抱えた大人になっていた。美容整形医と玉の輿の結婚をした裕子(小池栄子)は、夫の浮気で離婚の危機を迎えていた。特に、美容室を赤字倒産させて借金も抱え、暴力団男とひものような荒んだ生活をして、スナックの雇われママになっていた心(ともさかりえ)、更に、あの時に仲間とのいざこざで顔に傷を負った奈菜(池田エライザ)の所在は芹香の葬式の日まで音信不通で見つからなかった…。最後の最後に、芹香が生前仕掛けた新聞広告に大々的に掲載した懐かしいSUNNYの写真が奈菜の目に留まり現れる、感動的だな…。

2011年に韓国で観客動員740万人を記録した「サニー/永遠の仲間たち」(カン・ヒョンチョル監督&脚本)を、大根監督が90年代の珠玉のJ-POPや流行のファッションを挿入しながら脚本も書いた。渋谷や原宿などのガングロコギャルの若者風俗を再現するかのように「SUNNY」を完成させた日本版「SUNNY 強い気持ち・強い愛」でした。『モテキ』でも青年の恋心を描いた大根仁監督は、今度は何を描こうとしていたのかな…???寿命100年時代と言われている男と女の青春と人生は、時間と運命に流されるだけなのか…ナ。何時までたっても何歳になってもずっと「コギャル」ではいられない。それぞれの心に夢と希望と計画を将来にもってるだろうが、マア当然です。でもそこに平凡に結婚し家庭に収まる男女、運命に翻弄されて病気で早逝する男女、資本の濁流に流されてマネーを手に掴めずに貧困の国の下流で溺水溺酔する男女、そんな青春の光と影を見事に描いてますーネ!!!でも、韓国版ストーリではどうなんだろうかーナ。いくつも会社を経営していた芹香が遺言を残し、昔のSUNNYの仲間たちに遺産を残していた。心には新しく美容院を再開できるように店舗を与え、別れ別れになっていた子供と一緒に暮らせるように自分が死んだ後に空き部屋となったマンションの一部屋を譲り...、梅には営業成績を上げるためにビル一棟を契約した…。この辺りが映画のロマンですーネ!!!久々に邦画の傑作を見ました、楽しませていただきました。

でもーネ、女にはこんな昔の仲間を懐かしがり、「強い愛と絆」がいついつまでも友愛とか思いやりの感性を持つ「性」なのなのだろうかーナ…???これはひょっとすると「無縁社会」の今、韓国社会は尚更に他人を蹴り落としてでも成功を掴もうとする競争社会が激しいデスから、理念なき先進資本主義時代…に、現代人が抱くエターナルで微かな、ソウ、暖かい人心を持つ社会であってほしいという希望なのかな…私はそう思います。

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