本を廻る寧ろ古き良き時代のロマンを掻き立てる、以前TVドラマで放映していたので、何か懐かしい物語に再会したようでした。

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三島有紀子監督黒木華野村周平演じるビブリア古書堂の事件手帖・・・シネマ・コメンテータの流石埜魚水です。この映画をもう見た?まだ見ていないの?
北鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」を舞台に、店主・篠川栞子(黒木華)と、祖母の遺品の本棚にに残された夏目漱石の直筆のような署名入りのそれから』を持ち込んだ五浦大輔(野村周平)が、その本の持ち主である亡き祖母の恋の秘密を解読する。11月に紹介する2本目は、本の周辺の謎を探偵のように推理する「本」探偵映画『ビブリア古書堂の事件手帖』(2018年、三島有紀子監督、三上 延原作)でした。

本を読む人が少なくなって、通勤電車の中は以前の風景ー、混んだ客車に揺られながら片手に吊皮を握り、片手に文庫本を広げて巧みにページをめくる風景は見られなくなりました。IT全盛期の今、敢えて文学の好きな人は満員電車でも紙のページをめくる必要がない電子本で鴎外や漱石を読み、画面を切り替えて読めない難字の意味を電子辞書ですぐに調べる時代が来ています…。

私も古本屋が好きです、本を買うというよりも本に囲まれた空間に居ることが好きなのかもしれません。でも未だに紙の新聞を毎朝習慣のように広げる中高年はまだまだ多いですし、紙の本を後生大事に本棚に「積読」する人も依然だまだ多いです。最早、本が好きで本の裏に張りつけられた古書店の紙、所有者の蔵書印やサインもそのまま残った、蔵書家の棚から古本屋に売られた本と偶然出会うなどということは、八重洲口に林立するモダンな高層ビルの大理石の石材プレートにアンモナイトの化石を見つけるようなものですーネ。と言っても、昨今古本の値打ちもお勉強もしていない素人のバカ学生ばかりいる古本屋・・・、今も急速に店舗数を延ばしている「BOOKOFF」にはそんなサインや印はないですーネ。却ってそんなものが表皮にあれば1冊100円の値段が付かずに、0円に査定さてしまいます。最早、昔ながらの古書の価値を知り、値踏みできる古本屋は無くなったといっても良いデス―ヨ。

そんな昨今の古本屋の現況に、本の価値と来歴の物語を推理小説のように探る原作小説は、寧ろ古き良き時代のロマンを掻き立てるといっても良いデスネ。以前TVドラマで放映していたので、映画を見乍ら私も何か懐かしい物語に再会したようでした。