皆さん、この映画のここで泣かないと、恋人や夫から冷血漢と言われますーヨ!!!

イメージ 1
堤幸彦監督西島秀俊篠原涼子演じる人魚の眠る家・・・シネマ・コメンテータの流石埜魚水です。この映画をもう見た?まだ見ていないの?

11月の3作目をご案内します。つい先ほど映画館で鑑賞を終わって、胸の熱いうちに書いています。親の代からの医療機器会社の経営者・播磨和昌(西島秀俊)と妻の薫子(篠原涼子)は2人の子供を授かるが、夫の浮気を理由に別居、離婚準備中だった。ある日、娘の瑞穂がプールで溺れて意識不明になり、脳神経外科医に脳死と診断される。脳死判定を受ければ他の子供に臓器提供できる。が、一瞬だけ瑞穂の指がピクッーと動いたのを薫子が感じ、「娘はまだ生きている・・・」と臓器提供を翻して、蘇生の奇跡を待つことになった。そして、和昌の会社が今現在開発中の脳の微細な刺激でロボットの手足が動く最先端の障碍者の介助機器があった。その一つのアプリケーションとして瑞穂の脊髄神経から脳の神経と同じ信号を送り、手足を動かそうとする研究も社内のエンジニアによって開発中であった。既に瑞穂の心臓は横隔膜に心臓に刺激を与え心臓の鼓動に信号を送る装置によって人工的に動かされていた。5本目の作品は、障害者も科学の先端技術の機器の介助があれば、健常者と同じ手足を自由に浮かされる科学技術の進歩、でも、臓器提供と臓器移植が遅れ、移植で助かる命が見捨てられている日本の医学界・・・、お金がない理由から命を落とす貧困地域と国もまだあります。遺伝子工学生命科学が日進月歩する現代において「命」とは何か…を問う『人魚の眠る家』(2018年、堤幸彦監督、篠崎絵里子脚本、原作:東野圭吾)でした。

この映画で私が感じたのは、何よりも母親の娘に対する愛情の深さだろうか、母親と言うよりももっと広げて「動物」の、「有袋類」の哺乳類の母の愛情の深さだろうかな…。動物行動学者のコンラート・・ローレンツが発見した「刷りこみ現象」のように、生き物の「母―子」の独特の愛情と絆があるのかも知れないですーネ。

夜中にベッドにいつものように横たわる植物人間の瑞穂にフトと目を向けると、いつも目を閉じている瑞穂の瞼がウッスラ開き、母親に笑い、言葉を話すではないか…。しかも薫に「お母さん今までありがとう。私は幸せでした…」と別れの言葉を言うではないか…。エ~、私は映画を見乍らワ~奇跡だ、と驚きました。その時私も思わず咽びました…。皆さん、ここで泣かないと冷血漢と言われますーヨ!!!この後で、母・薫との別れの言葉を交わした瑞穂の臓器提供を決める。最後の最後のシーンがまた泣けるではないですか…、野球好きな少年の心臓として元気に動く瑞穂の心臓は、移植された少年で生かされていた。その少年は、瑞穂の心臓の導きで彼女の家に走って探しに行く。2019年の日本アカデミー賞の幾つかの最優秀賞は、この映画カナ…!!!

この映画を観た人の何パーセントかは免許証の裏側に臓器提供の承諾のサインをするだろうし、ネットで臓器提供について検索エンジンで調べるでしょうーネ。日本はまだまだ、「子供の体は親から譲り受けたもの、だから他人には粗末に挙げられない」、という暗黙の身体観と拒絶反応がありそうです。だからと言って、東南アジアの貧困地域の子供のように臓器がお金で売買され、中東や中国の石油王や富裕層たちの寿命延命のために移植されては困るよーナ…。或は、過去に日本にもあった暴力団の組長のために臓器提供を強要されても尚更に困るよーナ…。