邦画にはどういうわけかミュージカル映画は少ないです。矢口史靖監督が大胆にも和製ミュージカルコメディーを制作しました。私は拍手を送りたいです。

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8月に紹介する邦画は、一流商社に勤務する鈴木静香(三吉彩花)は、拾ったタダ券で遊園地の見世物小屋のマジックショーに姉の子供の子守のために連れていく。小屋のインチキマジッシャン(宝田明)に催眠術をかけられ、曲が流れた途端にリズムにのって歌って踊らずにはいられなくなっていた。翌日から静香は、テレビ番組から流れる音楽、携帯電話の着信メロディー、駅の発車音楽など、街中に流れる音楽に体が勝手に反応してしまう面白ミュージカルコメディー『ダンスウィズミー』(2019年公開、 矢口史靖監督)でした。

ミュージカル映画には長い歴史があります。ジュリー・アンドリュース出演の『サウンド・オブ・ミュージック』(1964年、ロバート・スティーヴンソン監督)は私が小学生の時に見た懐かしいミュージカル映画の名作です。あの頃、音楽の時間に«ドレミの歌»を合唱していました。ニューヨークの下層社会の不良グループの悲恋物語を若い二人を主人公にした『ウエスト・サイド物語』(2016年、ロバート・ワイズ&ジェローム・ロビンズ監督)も丁度私たち下層階層の日本人の共感を得たでしょうーネ。『メリー・ポピンズ』(1964年、ロバート・スティーヴンソン監督)も楽しい映画でしたーネ。厳格なナチスの軍人の父親と自由な家庭教師の対比は、一面でナチズム批判にもなっていました。私は2回見たと思っています。最近では『ラ・ラ・ランド』_(2016年、デミアン・チャゼル監督)は、第89回アカデミーで6部門受賞した既に名作の映画になっています。ヒュー・ジャックマン主演の『グレイテスト・ショーマン』(2017年、マイケル・グレイシー)もまた、ミュージカル映画の傑作になっています。

でも、こんなに盛んなミュージカル映画なのに、邦画にはどういうわけかミュージカル映画は少ないです。何故なのかな・・・???恐らくオペラのような伝統がないからでしょうね。矢口史靖監督が大胆にも和製ミュージカルコメディーを制作しました。私は彼の作品の中で『WOOD JOB/神去なあなあ日常』が好きですが、また好きな作品が増えて、これもまた傑作映画の一本に数えたいです。特に注目しているのは、主役の鈴木静香役の三吉彩花の演技だろうーネ。OLとして社内のやり手社員のために資料を休日に徹夜で作成する綾香のつかれた表情と、歌って踊っている自由でのびやかな綾香の表情が違っているのに驚きました…。アーレレ、女優が変わっているのかなーと錯覚した位です。演技の下手なアイドルなど起用しないで、こんな埋もれて演技の上手な女優をどんどん抜擢してほしいですーネ。

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