殿さまに忠誠を誓って仕え、藩に滅私奉公の精神で働くサムライに企業戦士の本質を見る、八角民夫が語る現代社会の企業本質論に、私は多分にサラリーマンの悲哀と共感を持ちました。


イメージ 1

厚生労働省が毎月の勤労統計の不正が国会で騒がれています。が、昨今、統計やデータの隠蔽と偽装工作は国会でも官僚でも民間でも当たり前のようにまかり通っていますーネ。古い歴史を持つ品質と安全性が売り物の日本の一流大手製造メーカが、品質データや試験データを改竄し事故隠しをするのが、製造業でも頻発していますーネ。国会で議論のあった安倍総理と官僚の証拠隠蔽のあった「森加計問題」然り、自動車メイカーのリコール隠し然り、もう日本はどうなっているの…と呆れるばかりです。

池井戸潤の企業もの小説は面白いですね。TVドラマの日曜劇場のルーズヴェルト・ゲーム』『下町ロケット』『陸王』は毎週楽しみにしていました。2月に紹介する邦画の1本目「七つの会議」(2018年公開、福澤克雄監督、池井戸潤原作、丑尾健太郎脚本)は、都内の新幹線とか飛行機とかの座席を製造する椅子の中堅メーカー「東京建電」が舞台で、ねじの不良品のリコール隠しを廻る企業もののストーリでした。それも過去に大手電気メーカ「フロンティアグループ」に吸収され資本参加された弱小メーカなので、親会社から売り上げ実績に常にプレッシャーをかけられていた。東京電建の社内の営業課1課2課は、営業部長・北川誠(香川照之)によって常に売り上げ結果と成果を厳しく求められていた。しかし営業一課の八角民夫(野村萬斎)は、だらけて会議室で平気でいびきをかいて、「居眠りハッカク」の悪名を持っていた。しかしそこには、製品単価を落とす為に下町の中小零細のねじ工場を外して、単価の安い耐久性の悪いねじメーカに下請けを変えた裏の事情があった…。

この映画の面白さは、ねじが原因で数百億の損害を招くリコールをどうするかを親会社の「フロンティアグループ」の徳山会長(北大路欣也)出席の御前会議で議論されるが…、会長はリコール公表をせずにねじの品質不良を有耶無耶に隠して裏処理しようとしたのが最後の最後の結末でした。

殿さまに忠誠を誓って仕え、藩に滅私奉公の精神で働く企業戦士の本質を、八角民夫が語るラストのセリフが、現代代社会の企業本質をイミジクモ語っていました。私たち男社会にー、多分に私たちサラリーマン自身の悲哀と共感を持ちました。

★★洋画についてはライブドアの下記アドレスで新しい公開作品を掲載しています。http://blog.livedoor.jp/cinemalive/
 
是非、コメントを一言お寄せください。必ずご返事させていただきます。尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…)