葬場でサトシが母の遺骨を忌み箸で拾い、ハンカチに包み持ち帰り、それを歯で齧り食べようとする・・・のでした。私はこれだけの好奇心でこの映画を見ました…。

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2月に紹介する邦画は、宮川サトシ(安田顕宮)の母・明子(倍賞美津子)の斎場での火葬、葬儀から映画は始まり、白血病で兄の骨髄移植で元気になったサトシが、母の癌を知り、死を看取る、それから、母が精子バンクに預けてあった精子で子供を授かり、真里(松下奈緒)と結婚して子供をあやす姿で終わる、人の一生の間の個人個人の人生の一大事を描いた『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った』(2019年公開、大森立嗣監督&脚本、 原作は宮川サトシの自伝エッセイ漫画)でした。私の驚きは、白血病って突然元気だった人が罹患する人がいるんだな・・・と、それに平凡な感想として、それでも最後に趣味で子供の頃から始めていた漫画で、漫画作家で生計を立てられてよかったなーと、しみじみ私はわが身のようにホットしました。

私もサトシと同じく生活のために塾の講師をしていたのですが、私には彼の漫画家の様な一途に一心に心を打ち込む「道」がないので、私のサクセスストーリは今だ未完だなと、侘しく疼きました。

その火葬場でサトシが母の遺骨を忌み箸で拾い、ハンカチに包み持ち帰り、それを歯で齧り食べようとする・・・のでした。私の記憶では勝新太郎が父親の長唄三味線方の杵屋勝東治の葬儀の時に骨を持ち帰り齧った映像を見たことがありました。料理家の平野レミさんが亡き父を火葬した後に残骸を指につけて食べたというエピソードを語ったといいます。私も母の遺骨を見た時にそんな気持ちになった記憶があります。故人への悲しみが深く、故人の骨を噛むことで死者の霊魂の力を肉体に入れる意味ーなど様々なことが想像できる風習で、戦前やさらに古い日本にあった習慣らしいです。ネットで検索してみると、筑豊地方には「骨噛み」という言葉があるそうで、現在でも(近藤雅樹の論文によれば)愛知県三河地方西部、兵庫県淡路島南部、愛媛県越智郡大島、新潟県糸魚川市などにはそうした風習が残されているそうですーヨ。私はこれだけの好奇心でこの映画を見ました…。

樹木希林の遺作となった『日日是好日』(2018年公開)の監督であったので関心はとてもありました。が、ただね、途中で突然現れる妻・真里との関係が不自然ですーネ。それと、骨髄移植を提供してくれた兄の姿がなか中登場しませんでしたので、誰が兄なのかじれったくなりました。脚本を自作する力量はないなーと感じました。

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