私は新しい野球の傑作映画が増えたなーと思いました。まして、高校野球のマウンドを踏んだ人にはたまらなく泣ける映画ではないでしょうか。

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6月に紹介する邦画2本目は、厳しい指導から赤鬼先生の異名を持つ小渕隆(堤真一)が主人公…、城南工業野球部の監督を務めた国語の先生が、甲子園出場目前まで野球部を指導するが、惜しくも甲子園出場の強豪校・青陵高校に敗れた甲子園球児の汗と涙の試合のストーリ…。それから10年、野球への情熱も失せた小渕先生が偶然、病院の診察を待つベンチで会った以前の教え子だった斎藤智之(柳楽優弥)と再会するところから物語が始まる甲子園野球&末期がんの死を看取る病気映画『泣くな赤鬼』(2019年公開、兼重淳監督、重松清原作)でした。

野球が舞台の名作はたくさんあります、そして、甲子園を目指して肉体の限界までマウンドで泥だられになって練習する球児たちの泣けるエピソードと名セリフはたくさんありますーネ。その中に、ダメチームと木偶の坊の球児が、名監督名コーチ一人の助言と励ましとノックに拠って名プレーヤ名打者に鍛えられる、劇的な豹変と奇跡はたくさんありま…ネ。この映画は、落ちこぼれ出はみ出し者の高校野球の球児が主人公の作品であり、かつて甲子園を目指した高校野球の監督の涙のエピソードです。

今では、がん発症は「万が一」に罹ったではなくて、3人に一人ががんに罹患する国民病・・・と言うよりも人類の悲運の業病と言ってもイイです。苦しみのた打ち回る宿痾ですーヨネ。新しい抗がん剤は次々開発されてますが、完治を目指す決定的な治療方法と薬がない難病奇病はたくさんあります、でも、ひとたび癌にかかると、がんの部位によって違うだろうが、業病宿痾と言ってもイイだろう…ネ。末期がんに罹ったかつての落ちこぼれの高校球児・斎藤智之、字名が「ゴルゴ」を看取った、かつては城南工業野球部の名監督、厳しい赤鬼監督、でも今は50歳になった野球への情熱と活力の衰えた小渕隆先生の物語です…。私も久しぶりに泣ける映画でした。

私も老いて自分の死ぬ瞬間に怯える年になりました。以前このブログに掲載した『長いお別れ』にもその感動は同じでしたが、妻と幼い子供を残して末期がんで死の床に就いた若者の無念は身にしみました…!!!宇宙の果ての塵芥に消える「死」と納得しているのだが、決してまだ「悟り」ではないな。

私は新しい野球の傑作映画が増えたなーと思いました。まして、高校野球を体験した人にはたまらなく泣ける映画ではないでしょうか。